テゴマス妄想族
テゴマス溺愛中 テゴ担当のこばちゃんとマス担当のいとちゃんが繰り広げる『こばいと劇場』。テゴマスの二人を中心にNEWSメンバーを巻き込んでのストーリーを展開。 すべてフィクションにつき 多少の失礼はお許しを!
『愛のマタドール』
目が合った。ただそれだけ。

世の中全部を敵だと思っているようなキツイまなざし。
でもその奥に深い悲しみがあるような気がして…。

だけど…
次の瞬間、人なつこい笑みを浮かべるキラキラした瞳に変わっていた。




社交辞令の飛び交う退屈なパーティ。
お偉い作家先生の出版祝賀会。
本当は母が来るはずだったのに、最近はこういう面倒くさいことは私に押し付ける。
それでも一応お義理のあるおじ様方にはきちんと挨拶して、私の役目は終わりかな、と思っていた矢先のこと。
彼はそのキラキラの瞳のまま私に近づき、目に前に鍵をぶら下げた。

『退屈だったら、おいで。』
『あの…?』
『この場所を探し当てたら、それがキミとオレとの運命さ。』
『…ちょ、ちょっと。』

私の手に鍵を握らせ、その場を去っていく。
今どきこんなクサい台詞ホントに言うヤツがいるんだ…唖然としてその行く手を目で追った。

『ユウヤ、どこへ行くの?』
上品な中年女性の問いに、後ろ手を挙げただけで部屋を出ていく。
お母様だろうか?
出ていく事をとがめるでもなく、心配するでもなく、もちろんからかう様子でもなく、不思議な感じでやり過ごす。
気になって仕方なく、私も部屋を出る。

それほど時間は経っていないのに彼の姿は廊下になかった。
長い廊下のあちこちに絵画や彫刻品。
一枚の絵に引き寄せられた。闘牛を操るマタドールの絵。
その闘志がなんだか今出会った彼の姿にかぶる。

他人のお屋敷をうろつくのは抵抗があったが、握りしめた鍵の謎を解きたかった。
「B003」鍵に記された文字。
『(Bって地下のことかしら?)』
大勢の人々が忙しく動き回っている厨房の脇に地下へ続く階段があった。
『(私、いったい何やってるんだろう?)』
頭の一方でそう思いながらも足が止められない。
階段を下りたところから三つ目の部屋、きっとここだ。

カチャッ
予想どおり…というか、なぜか確信があったのだけど…鍵が開く。

目の前にはビリヤードの台。
その奥の壁にもたれかかり、腕を組んでいる彼。
憂いに満ちた瞳に見えたのに、次の瞬間には又いたずらっ子のようなまなざしになって…
『お待ちしてました、お嬢様。』
と私の手をとる。

…と、思ったら、いきなりキス。
『!!!!!』




でも、それは…彼のキスは…くちびるは…やわらかくて温かくて優しくて…

『嫌いじゃないだろ? こういうの。』
耳元でささやかれ、体がほてり全身の力が抜けていくのを感じた。

後はもう、どうにでもなれ…



数週間前に別れた恋人に言われた言葉が甦る。
「なんだよ、お嬢様ぶってさ!どうせ俺は庶民だよ!」
女友達(だと思っていた)に噂されていたこと。
「いいわね、お嬢様は。」「しょせん私たちとは違うんだから。」

そんなことない!そんなことない!そんなことないよっ!!!
その否定の仕方を私は知らなかった。
だって本当にそんなことないんだから。両親は忙しく働いていて私はおばあちゃんに育てられて…。大学生になった今、単発的なアルバイトもしている…。

あ、そうか…
私が彼…ユウヤというんだろうか…に感じたのは、自分と似ている空気ではないか。
世間からの誤解、自分の意志とは無関係に作られた人物像。
どうしようもないジレンマ。



彼の手が私のドレスの裾をたくしあげる。
フローリングの床は、ほてった体に心地良かった。



激しさの後の静寂…
『私ね…』
と続けようとする私のくちびるがふさがれた。
『身の上話は聞きたくない。』
『え?』
『身の上話には嘘がある。』
『あ…』
『抱きあうのに嘘なんていらない。』



今夜だけ?
それともこのストーリーに続きはあるの?

テーマ:NEWS - ジャンル:アイドル・芸能


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